SDメモリーカードの「画像消去」と「フォーマット」の違い

デジタル一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラは、撮影したデータをSDメモリーカードに保存するのが一般的です。しかし、写真データがたくさんになりSDメモリーカードの容量が少なくなってきた場合、空き容量を増やすため、「画像消去」もしくは「フォーマット」を行わなくてはなりません。
この「画像消去」と「フォーマット」いったい、どんな違いがあり、SDメモリーカードにどのような影響を及ぼすのでしょうか？
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画像消去はファイルを見えなくし、フォーマットはSDメモリーカードを初期化する

撮影した画像ファイルをパソコンにコピーしたあと、メモリーカードの中にあるデータを消去する際に、カメラのメニューにある「全画像消去」や「画像を消去する」を選択すると、画像ファイルが見えない状態になります。これは、基本的にSDメモリーカード上の「インデックス情報」だけを削除しています。デジカメに限らず、ファイルが保存される際にはデータの実体とは別に、データがどこに保存されているかという情報を管理する「インデックス部」という所に情報が書き込まれます。一コマ消去や全消去といった操作では、通常このインデックス部分の情報だけを消去します。したがって、「消去」した後もデータの実体は残っているということになり、画像データがなくなるわけではなく見えなくなるだけで、繰り返すと保存できる枚数が少なくなることもあります。

一方、「フォーマット」は保存されている「データ部」自体を消去します。元々「フォーマット」とは記録媒体もしくはパーティションを特定のファイルシステムで使用できるように初期化する操作を指し、「データを消去する」事を目的としたものではありません。ただし、フォーマット操作を行えばメディアのインデックス部やデータ部は全て特定のファイルシステムに書き換えられてしまう為、結果としては全てのデータが消える、ということになります。「全画像消去」より「フォーマット」のほうが時間がかかるのは、そのためです。「全画像消去」のほうが作業時間が短いからといって消去ばかり繰り返していると、記録できる枚数が減ったり、メモリーカードに記録速度が落ちてしまうことがあります。メモリーカードに保存されたデータをすべて消して次の撮影に備えるときは「フォーマット」を選択した方がいいです。
また、同じSDメモリーカードを複数のデジタルカメラで共用する場合にも必ず「フォーマット」を行って下さい。他のデジタルカメラで使用していたSDメモリーカードを別のデジタルカメラで使用した場合、撮影したはずの画像が消えてしまう、というトラブルが発生する危険性が高まります。
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それでは、同じ「フォーマット」ならば、パソコンでSDメモリーカードを「フォーマット」してもいいのでしょうか？

SDメモリーカードの「フォーマット」は必ず撮影するデジタルカメラで行う

デジタルカメラに使用するSDメモリーカードをパソコンでフォーマットしてはいけません。パソコンでハードディスクドライブをフォーマットするときは、いくつかある形式の中から1つ選んで実行するようになっています。メモリーカードもこれと同じように、デジカメで使える形式でフォーマットする必要があるのです。パソコンで不用意にメモリーカードをフォーマットすると、デジカメで画像を読み込んだり書き込んだりできなくなる可能性があります。また、各社メーカーによってもフォーマットの仕様が異なりますので、必ず撮影するデジタルカメラでフォーマットして下さい。

パナソニックでは、SD/SDHCメモリーカードをデジカメで使える形式でフォーマットするパソコン用のソフトを無料配布しています。パソコンで通常のフォーマットをすると、デジカメでは使用できなくなってしまいますが、このソフトを利用すればデジカメで使えます。

同じフォーマットでも「物理フォーマット」は記録領域だけでなく、すべての領域を初期化する

キャノンのEOS KissX3などのデジタル一眼レフカメラでは、SDメモリーカード対応機種にのみ「物理フォーマット」という機能があります。これは通常のフォーマットよりさらに強力な初期化作業で、何度も使っているSDメモリーカードの書き込み速度が遅く感じられるようになったときなどに有効です。ただし、カード内の全領域を初期化するため、通常のフォーマットよりもさらに時間がかかります。
連射を多用したり、RAWデータで撮影することが多い場合は、定期的に「物理フォーマット」を行ったほうがいいです。SDメモリーカードを最高の状態で使えるので、撮影が快適になります。
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